こんにちは。こちらでは、和風の人形をご紹介します。(人形紹介ページにはめずらしく、怖く ないです。)私が、着物を着た和風の人形を作るのは、頼まれた時だけでした。自分から好ん では作りません。それは何故でしょうか。

私はとても小さい頃、たぶん家庭の事情から、いなかの家に預けられていた記憶があるので すが、そこは地方の旧家で、とても古い大きなお屋敷でした。そこには数々の仏像や古い掛 け軸などと共に、日本人形もいました。そこでの記憶と言えば、昼間はまだ良いのですが、寂 しさなどとからみ合って、夜がいつもとても怖かったことです。日本人形可愛いお人形など という物からはほど遠く、いつも片隅で黒い瞳を光らせている怖いものでした。私が日本美術 にあまり興味が持てないのは、どうもこの当時の幼児体験が関係しているみたいです。

あるとき、熱を出した夜中に、自分の寝ている掛け布団の上に、なんと大きな布袋様(木の置 物があったのです)が乗っていて、重くて怖くて泣いているのに、布袋様はいじわるく、あの笑 い顔でますますどっかりと乗っている・・。熱にうなされた悪夢でしょうが、これは今でもはっき りと覚えています。あらら、怖くないと言いながら、怖い話になってごめんなさい。





さて、上の子は、実はとても小さいものなのです。映像作品に使いたいということで、かなり詳 しく指定があったことを憶えています。たしか、全身で12〜15cmくらいの小ささで、顔など、 もう楊枝の先か針の先で作るという感じですね。着物や(染めてからリキテックスで模様を描 いた気がする)、日傘など(針金+布)、まったく、よく作ったものよなあ・・と思います。





この子は、いかにも日本人形、という子ですね。布地や手芸材料のお店に行って、使えそうな ものを何時間もかけて選んだりしていましたね。人形は小さいので、普通の布ではきめが粗 すぎてほとんど使えなくて、裏地や芯地を絞り染めしてみました。蛇は、楽しんで作りました。と ても長くて、重くなると壊れやすいと思ったので、乾くと驚くほど軽くなる紙粘土を使いました。 なぜ、爬虫類両生類などのイメージが好きなのでしょう・・。それは、この世で一番恐ろしい ものは、人間の悪意だと思うからです。それに比べれば骸骨も愛すべきものです。


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